機能性表示食品うるるん肌ドリンクとカカオフラバノールスティック
- 2015/09/04
- 14:00
久しぶりの機能性表示食品。
私の中でのモチベーションは正直下がっています…
笑
なぜかというと、日々増え続ける商品数、あたかもものすごい効果があるように謳うCM…
世の中に溢れる情報の中である程度の正しさが保証されていると見抜ける目というものを自分自身も身につけきれていません…
それにしても大手メーカーはものすごい資料を提出してくる。
それこそ一朝一夕では読めない…っというか隅から隅まで読もうとすると何日もかかるので読みきれません…
そして、届け出された資料の内容が微妙だな…と思う商品に関してはどれも同じようなブログの文章になってしまう…
というわけで、今回は2つの全く機能性は異なるけど、たまたま消費者庁のHP上で順番が近かった
「ナグプラスうるるん肌ドリンク」
と
「カカオフラバノールスティック」
の届け出内容を見比べてみたいと思います。
まず、「ナグプラスうるるん肌ドリンク」の方は2つの論文を検討しています。
摂取8週後の左頬と左眼の下の角質水分量を検討していて、例のごとくプラセボ服用群とN-アセチルグルコサミン服用群の服用前の水分量に最初から差がある。
一応、左頬のN-アセチルグルコサミン服用群の8週後の水分量は服用前と比べて有意に増加している。
しかし、左眼の下はデータがパッと見変…(左頬のデータも変なんですが…)
提出された資料には、
ランダム化方法に十分な記載がないとか査読誌では0.05<p<0.10と有意差微妙だけど、非査読誌では有意な改善が見られた。
とか書かれていてなんとコメントしていいかわかりません…
これで肌が潤う~とかでオススメできるわけありません。
効果があるかどうかもかなり微妙と言わざるを得ません…
一方で、「カカオフラバノールスティック」。
こちらの資料はなんとあの有名なコクランライブラリーの資料を添付している。
有名なコクランだから大丈夫!ってわけではないけど少なくとも提出された資料の評価としてうるるん肌ドリンクよりは信憑性が高いと個人的には思います。
ただ、提出されたのがコクランのレビューだから安心!というわけではないです。
本当にざっくり読んだだけなので違う解釈をしている可能性もあります。
なので、その辺ご理解の上で読んでください
ざっくりと結果だけ書くと、
1日のフラボノールの摂取量は30~1080 mgで平均摂取量は545.5 mgで、
収縮期血圧の平均差 : -2.77 (-4.72, -0.82) mm Hg
拡張期血圧の平均差 : - 2.20 (-3.46, -0.93) mm Hg
の結果が得られたとしています。
しかし、摂取2週間のトライアルでは有意差が出ているものの、2週間より長いトライアルでは出ていないとしています。
「Trial duration was short (mean 4.4 weeks, range 2-8 weeks, n=19, and one trial of 18 weeks). A significant blood pressure reducing effect was evident in trials of 2 weeks duration (n=9), but not in trials of >2 weeks duration (n=11). 」
(アブストラクトより転記)
カカオフラバノールスティックは1日1本を摂取目安としており、1本でフラバノール30mgに相当するようです。
レビュー上の用量から見ると少ないように見えますが、カカオフラバノール摂取群とフラバノールなし群を比較すると有意差が出るが、カカオフラバノール高用量摂取群と低用量摂取群を比較すると有意差はなかったとしています。
なので、多ければそれだけ効果が出るというわけではなさそうです。
(これじっくり読むとなんか変だなと思えるところがありそう…個人的感想ですが…)
このレビューの著者も思いっきり書いていますが、
「短い摂取期間ではフラバノールが豊富なチョコレートやココアは効果は小さいが2~3mmHgほど有意に血圧を下げる。
中略
長期間の摂取で血圧が下がるかどうかの検討も必要であり、さらに長期間の摂取による心血管イベントなどへの影響や、有害事象の検討も必要だ。」
としています。
血圧が2mmHg下がることで健康な血圧をサポートするってどういうことだろうと個人的には思うのです。
しかも現段階では2週間限定…
それ以上の摂取により血圧がさらに下がるのか、心血管イベントのリスクを低下させるのか。
その辺りはまだわかっていないということです。
ちなみに、血圧には塩分制限という話もありますが、塩分制限の方が私にはしっくりきます。
塩分と血圧の関係は生涯の塩分の摂取量と加齢とが血圧に関与しているそうです。
「減塩は1日に何gと考えるものではありません。なぜならば、長いあいだに食べた食塩が加齢による血圧の上昇に大きな影響を及ぼしています。減塩は1日に何gと考えるのではなく、生まれてから今までに何kg食べたか、そして、これから一生で何kg食べるのかと考えるべきものです。」
(佐々木 敏著 栄養データはこう読む!より)
私は血圧などに関してはこういう考え方が好きです。急性の病気とは違い長く付き合っていくものなので(もちろん個人差はあるので短い人もいますが。)、ゆるりとでもしっかり向き合っていくのがいいと思うんです。
ま、それは置いておいて、あくまでも血圧を下げることをサポートつまり手助けするということなので裏を返せばこの商品だけでは健康な血圧は手に入らないということだと思ってしまう性格の悪い自分がいます…
カカオフラバノールスティックの販売は11月以降なのでまだ価格は出ていません。
うるるん肌ドリンクもまだ価格は出ていません。
長くなってしまいましたが、カカオフラバノールスティックの方はフラバノールの現段階での評価が提出された資料を読めばわかります。
うるるん肌ドリンクは無理矢理だな~っという印象です。
でも…
売れてるんですね!
機能性表示食品
申請、承認されると発売した会社の株価は上がってるみたいですし、売上高もいいみたい。
正直ここまで提出された資料を見てきましたが、これくらいなら食事とか運動とか見直したほうが総合的にみていいんじゃないの?という感想の方が多いです…
あ、もちろん全部じゃないですけど。
あと薬剤師に相談するとかね?笑
どれくらい飲んだけど効果実感出来ないんだよね。やめた方がいいかな?って思った時は薬剤師に聞いてみてもいいんじゃないですか?
消費者庁に提出された資料読めばどれくらいの試験期間で効果が出たのか大体わかりますから。
あ、そういうのまとめるのもありかな?
それぞれの商品をどれくらいの期間摂取すればメーカーがいう効果が期待できるか。
どれくらいでできるかわかりませんが要望あればやってみようかな。
あ、ちょっとモチベーション上がったな…
笑
いつも応援ありがとうございます
またポチッとお願いします

にほんブログ村
こちらもポチッとお願いします

薬剤師ランキングへ
私の中でのモチベーションは正直下がっています…

なぜかというと、日々増え続ける商品数、あたかもものすごい効果があるように謳うCM…

世の中に溢れる情報の中である程度の正しさが保証されていると見抜ける目というものを自分自身も身につけきれていません…

それにしても大手メーカーはものすごい資料を提出してくる。
それこそ一朝一夕では読めない…っというか隅から隅まで読もうとすると何日もかかるので読みきれません…

そして、届け出された資料の内容が微妙だな…と思う商品に関してはどれも同じようなブログの文章になってしまう…

というわけで、今回は2つの全く機能性は異なるけど、たまたま消費者庁のHP上で順番が近かった
「ナグプラスうるるん肌ドリンク」
と
「カカオフラバノールスティック」
の届け出内容を見比べてみたいと思います。
まず、「ナグプラスうるるん肌ドリンク」の方は2つの論文を検討しています。
摂取8週後の左頬と左眼の下の角質水分量を検討していて、例のごとくプラセボ服用群とN-アセチルグルコサミン服用群の服用前の水分量に最初から差がある。
一応、左頬のN-アセチルグルコサミン服用群の8週後の水分量は服用前と比べて有意に増加している。
しかし、左眼の下はデータがパッと見変…(左頬のデータも変なんですが…)
提出された資料には、
ランダム化方法に十分な記載がないとか査読誌では0.05<p<0.10と有意差微妙だけど、非査読誌では有意な改善が見られた。
とか書かれていてなんとコメントしていいかわかりません…

これで肌が潤う~とかでオススメできるわけありません。
効果があるかどうかもかなり微妙と言わざるを得ません…

一方で、「カカオフラバノールスティック」。
こちらの資料はなんとあの有名なコクランライブラリーの資料を添付している。
有名なコクランだから大丈夫!ってわけではないけど少なくとも提出された資料の評価としてうるるん肌ドリンクよりは信憑性が高いと個人的には思います。
ただ、提出されたのがコクランのレビューだから安心!というわけではないです。
本当にざっくり読んだだけなので違う解釈をしている可能性もあります。
なので、その辺ご理解の上で読んでください

ざっくりと結果だけ書くと、
1日のフラボノールの摂取量は30~1080 mgで平均摂取量は545.5 mgで、
収縮期血圧の平均差 : -2.77 (-4.72, -0.82) mm Hg
拡張期血圧の平均差 : - 2.20 (-3.46, -0.93) mm Hg
の結果が得られたとしています。
しかし、摂取2週間のトライアルでは有意差が出ているものの、2週間より長いトライアルでは出ていないとしています。
「Trial duration was short (mean 4.4 weeks, range 2-8 weeks, n=19, and one trial of 18 weeks). A significant blood pressure reducing effect was evident in trials of 2 weeks duration (n=9), but not in trials of >2 weeks duration (n=11). 」
(アブストラクトより転記)
カカオフラバノールスティックは1日1本を摂取目安としており、1本でフラバノール30mgに相当するようです。
レビュー上の用量から見ると少ないように見えますが、カカオフラバノール摂取群とフラバノールなし群を比較すると有意差が出るが、カカオフラバノール高用量摂取群と低用量摂取群を比較すると有意差はなかったとしています。
なので、多ければそれだけ効果が出るというわけではなさそうです。
このレビューの著者も思いっきり書いていますが、
「短い摂取期間ではフラバノールが豊富なチョコレートやココアは効果は小さいが2~3mmHgほど有意に血圧を下げる。
中略
長期間の摂取で血圧が下がるかどうかの検討も必要であり、さらに長期間の摂取による心血管イベントなどへの影響や、有害事象の検討も必要だ。」
としています。
血圧が2mmHg下がることで健康な血圧をサポートするってどういうことだろうと個人的には思うのです。
しかも現段階では2週間限定…

それ以上の摂取により血圧がさらに下がるのか、心血管イベントのリスクを低下させるのか。
その辺りはまだわかっていないということです。
ちなみに、血圧には塩分制限という話もありますが、塩分制限の方が私にはしっくりきます。
塩分と血圧の関係は生涯の塩分の摂取量と加齢とが血圧に関与しているそうです。
「減塩は1日に何gと考えるものではありません。なぜならば、長いあいだに食べた食塩が加齢による血圧の上昇に大きな影響を及ぼしています。減塩は1日に何gと考えるのではなく、生まれてから今までに何kg食べたか、そして、これから一生で何kg食べるのかと考えるべきものです。」
(佐々木 敏著 栄養データはこう読む!より)
私は血圧などに関してはこういう考え方が好きです。急性の病気とは違い長く付き合っていくものなので(もちろん個人差はあるので短い人もいますが。)、ゆるりとでもしっかり向き合っていくのがいいと思うんです。
ま、それは置いておいて、あくまでも血圧を下げることをサポートつまり手助けするということなので裏を返せばこの商品だけでは健康な血圧は手に入らないということだと思ってしまう性格の悪い自分がいます…

カカオフラバノールスティックの販売は11月以降なのでまだ価格は出ていません。
うるるん肌ドリンクもまだ価格は出ていません。
長くなってしまいましたが、カカオフラバノールスティックの方はフラバノールの現段階での評価が提出された資料を読めばわかります。
うるるん肌ドリンクは無理矢理だな~っという印象です。
でも…
売れてるんですね!


申請、承認されると発売した会社の株価は上がってるみたいですし、売上高もいいみたい。
正直ここまで提出された資料を見てきましたが、これくらいなら食事とか運動とか見直したほうが総合的にみていいんじゃないの?という感想の方が多いです…

あ、もちろん全部じゃないですけど。
あと薬剤師に相談するとかね?笑
どれくらい飲んだけど効果実感出来ないんだよね。やめた方がいいかな?って思った時は薬剤師に聞いてみてもいいんじゃないですか?
消費者庁に提出された資料読めばどれくらいの試験期間で効果が出たのか大体わかりますから。
あ、そういうのまとめるのもありかな?
それぞれの商品をどれくらいの期間摂取すればメーカーがいう効果が期待できるか。
どれくらいでできるかわかりませんが要望あればやってみようかな。
あ、ちょっとモチベーション上がったな…

いつも応援ありがとうございます

またポチッとお願いします


にほんブログ村
こちらもポチッとお願いします


薬剤師ランキングへ
スポンサーサイト